海外短信 −中国− |
変りゆく蘇州 〜 日本ピラー工業 〜 |
蘇州は、「上有天堂、下有蘇杭(天には天国が、地には蘇州、杭州がある)」という言葉で、天界と並び称され、2500年の歴史と文化を持つ水の都として知られています。現在では、「世界文化遺産」に登録された古典庭園群を有する観光地区と、高い外資導入額を誇る工業生産地区の両面をもつ近代都市として急速な発展を続けています。 開業当時の蘇州は、絶好調の外資系企業投資と、SARS騒動が重なる時期でしたが、発展の勢いとスピードには驚くばかりでした。廃車寸前のタクシーは新車となり、自転車軍団は電動バイクに替わり、古い街は見る間に壊されて新しく美しく?変貌していきました。飲み屋街でしか観る事が無かったカラフルな服装も、今では普通に街の風景に溶け込んでいます。当然、物価や従業員の賃金はうなぎのぼりで、何でも安いと思っていた着任当時が一昔前のように感じます。 一方で、古き物を残そうという動きも見られ、開発に取残された古い街並みがリニューアルされ観光スポットになっていますが、いまいち趣きに欠ける感があります。 しかし、色々な問題を包み込みながらも、大きく発展し続ける中国の懐の深さには、感じ入る所があり、勤勉で人情にたけた人々も多くいて外資系企業を支えているのが現実です。大きく変貌し続ける環境の中で、変らぬ良き心を持ち続ける人々がいる限り、中国の発展に終わりはないと感じています。
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