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−中 国−

歴史ある都市『嘉興』

〜 潟<Cドー 〜
(− へクサス精工(嘉興)有限公司  高田繁一さん −)


写真右端が高田さん

 当社は、潟<Cドーを主とした出資により、高強度ファスナーの製造販売を目的として、2004年8月に設立、2005年12月に操業を開始し、2006年2月から量産を始めています。

 当社は、上海、江蘇省に隣接する中国浙江省の嘉興市にあります。上海付近にある都市の地名といえば、蘇州や無錫、南京、杭州を連想される方が多く、嘉興はあまりなじみのない地名です。しかし歴史は古く、三国志演義で知られる三国時代の紀元242年に嘉興という地名に変わり今に至っています。さらに歴史を遡れば、春秋戦国時代(紀元前770−前221年)、嘉興は越と呉の国境にあり、越王勾践により呉王夫差へ献じられた傾国の美女で有名な「西施」が、夫差が勾践に敗れた後、勾践の功臣である范蠡と晩年を過ごしたとの由来のある地でもあります。その起居した場所は今でも范蠡湖として嘉興に残っており、また越王勾践と呉王夫差との覇権争いは、「臥薪嘗胆」の故事として歴史的にも有名です。

 その歴史のある嘉興にも経済発展の波が押し寄せています。米国やドイツのスーパーマーケットが進出して都市化が急速に進み、生活水準も向上しました。可処分所得は上海を含む長江(揚子江)デルタ地域内で十位前後です。道路や鉄道も整備されつつあり、近隣の省市への行き来も、今後はさらに便利になると思われます。

 開発と同時に心配されるのが、外来人口の増加によるマナーと治安の悪化です。急速な発展による歪みをどう修正するかが、今後の課題だと思います。