海外短信


−インドネシア−

Jakartaの幽霊

〜PT.NHK GASKET INDONESIA  植田洋一さん〜
(−日本ガスケット梶|)

副社長の植田さん
 

  当社の所在するインドネシアは、人口の90%をイスラム教が占めており、朝・夕を含めて一日5回のお祈りを欠かさない敬虔な信者が多く住んでいる、モスリム圏で最大の国家です。特に夕暮れの礼拝時などは、不信心な私でさえ、コーランの唱和に合わせて白いムクナを纏い、一心に礼拝する光景に心打たれるという事もあります。
 ところが、このような敬虔な信者の多いインドネシア、ことに私の居住する首都のジャカルタで、非常に多いのが「幽霊騒動」。聞き込んで来るのは、大抵、お手伝いさんのネットワークですが、どこそこのアパートで出ただの、あそこのアパートでは5階の廊下を歩いていただの、日々のコラム以上に、非常に詳細かつ鮮明に説明してくれます。(実は、私が以前住んでいたアパートも、その筋では有名。)
 ちなみに、昨日聞いた「幽霊情報」には、心動かされました。拙宅のお手伝いさんによりますと、なんと、友人の勤める某アパートの寝室で、「髪の長い美女が、ベッドの端っこに赤いダスター(部屋着)を着て俯いて腰を掛けており、アッと声を掛けると消えた」由。“髪の長い美人”ですか、処変わっても行き着くところは同じだな〜っと、にんまりしておりますと、お手伝いさん曰く「コワいよ、コロサレチャウよ」。 ところで、日本の幽霊とこちらの幽霊の違いは、日本の幽霊には「足がない」が、こちらの幽霊は「背中がない」ことだそうです。いよいよもって、ますます、見てみたい。でも、当方50も遥かに超えて、相手も「出る相手」を選ぶのでしょう。最近は、老眼も1.75に進んでしまうし、どうも、美人の幽霊嬢は、鼻も引っ掛けてくれそうも無い次第。 少し、寂しくもあります。