海外短信 −インドネシア− |
インドネシア式の起工・竣工式 〜 轄vリ製作所 厚見 俶 さん 〜 |
PT SARI TAKAGI ELOK PRODUK(通称STEP)で社長をしている厚見です。当社は、(株)高木製作所のアジア拠点として1996年8月にインドネシアで設立され、トヨタさんを中心としたプレス加工等の自動車部品製造、ジオメット処理をしています。工場は首都ジャカルタより東に約40kmのジャバベカ工業団地にあります。 インドネシアは、13,000もの島から成る、民族・宗教・言語の多様な国家であり、国是である「多様性の中の統一」が国情をうまく言い表しています。 日本との文化の違いの一端を当社が昨年新工場を建設したときの例で紹介いたします。 起工式は「TANAM KEPALA KERBAU」と言い、工場の中心となる場所でその朝に切断した水牛の生頭を地中に埋め、ハジ(イスラム・メッカの巡礼者)にお祈りをしてもらいました。建設工事の無事と完成する工場が力強く発展することを祈願するものです。お陰で順調に稼動しています。 竣工式は「BERDOA SUPAYA KERJA KARYAWAN DAN MESIN LANCAR」と言い、従業員の仕事振りと設備が安全かつ円滑に動くように、ハジにお祈りをしてもらいました。その際、孤児達も招待し喜捨をしました。当地には、祝い時に孤児達に施しをすれば良い報いが来るという宗教(イスラム)文化があります。この子達に食事と小遣いを渡したときに言いも知れぬ気持ちになりました。 このように、インドネシアは、厚い信仰心をベースにした慣習、文化が多くあり、忘れかけていた心の暖かさに触れる機会が多々あります。将来は、アセアンの優等生になる国と期待しています。 |