〜社是 いつの時代も「創造」と「挑戦」〜
 
おじゃまします  ―大原東海地区幹事に聞くー


 
 協豊会広報委員会は12月17日、(株)槌屋名古屋本社において、
大原東海地区幹事(株式会社槌屋 取締役社長)にインタビューを行いました。
 槌屋さんは自動車をはじめとして航空宇宙、電子、住宅他幅広い産業に革新的な製品を提案し、お客様から高い信頼を得ています。
 ”いつの時代も「創造」と「挑戦」”をキーワードとされているグループ経営の
取り組みについてお話をお伺いしました。




大原東海地区幹事

◆ 最初に槌屋さんの会社概況と沿革についてお話をお聞かせください。

 前身は軍需用部品の表面処理や塗装を行っていた名古屋塗装工業所です。
株式会社槌屋の歴史は塗料の販売を目的に1950年に有限会社槌屋塗料店
として設立された時に始まります。その翌年に、米国デュポン社や3M社の輸入
代理店になりました。
 当時、塗料や塗装方法をよくわかった塗料店を募集しておりました関係で、
当社がデュポンの塗料や3M の研磨剤、接着剤、テープなどを輸入販売する
ことになりました。
 デュポンの上塗り塗料はGMやFORDの量産ラインで使われていたので、クラウン
の立ち上がり時期にタイミングよく採用されました。それまでの国産塗料は乾きが
悪く量産ラインには不向きだったそうです。調色もマニュアルにしたがって、現在の
本社の所在地で行っていた事を覚えております。
その後、自動車の生産に欠かせない資材もデュポン社や3M社から紹介を受け、
多くの商品が輸入されました。
 なかでも、耐候性や耐熱性等に優れたフィルムは自動車用加飾フィルム(ストライプテープ) やコーションラベルは金属代替材料としてトヨタさんに採用された為、昭和45年にわが国で初めて本格的な印刷加工工場(槌屋デカル工業)を知立で立ち上げ、今日の工場としての基盤ができてきました。
 前後して、エアゾール充填工場(槌屋ケミカル)、細幅パイル織物工場(槌屋ティスコ)も設立され自動車以外の市場にも参入しております。

 ここ10年間で、我社もグローバル化が進み、現在、国内の製造子会社は8社
9工場、海外も同じく9工場が稼動しております。
販売拠点も広がり国内22ヵ所、海外6ヶ所となっています。




◆ 海外拠点の状況についてお願いします。

 海外の拠点はアメリカに2工場、中国に2工場、カナダ、メキシコ、タイ、ベトナム、
チェコにあります。
 アメリカの工場は早くから現地化し、北米の4工場では日本からの駐在は居なく
なりました。北米以外では日本からトップを派遣しておりますが、早く現地の人を
育て現地化していきたいと思っています。特に、北米では現地人ばかりのためか、
TPS教育を長年してきましたがなかなか定着せず苦労しました。しかし、この数年で
トヨタさんはじめ日系取引先のご指導のお陰で社長以下全員が突如目覚めてくれ、
すばらしい成果をあげるようになりました。大変時間がかかってしまいましたが・・・・・・・・・・・・・・・。
 また、アジアの4工場は社内でのチームワークや勤労意欲も高く、製品の要求品質上クリーンな作業環境が必要なため4Sもまずまずと思っていますが、チェコだけはこれからしっかり指導していかねばと考えております。




◆ 「創造」と「挑戦」について詳しくお聞かせください。

 槌屋はどんな会社?と聞かれると回答に困るのですが、研究開発、製造、販売、
輸出入をスルーで行い、化学、電気電子、セラミック、繊維など幅広い分野のなかでも、特にニッチ製品を自動車、航空宇宙、家電、OA機器、住宅産業などのお客様に提供している会社と言えます。
 新規製品の開発に力をいれ、30年以上前から研究開発センターを設立し技術開発や工場製品の品質保証などをしてきました。
 当時、現在に於いてもそうですが、化学分野は日進月歩で進化し、立ち止まることは、会社の存亡にかかわるほど安定感の乏しいものでした。そんなことから、
いつも新しい技術や製品の情報を世界中から集め、なお且つ自社でも製品開発をしなければならないといった宿命みたいなものを負っています。ひとつの部品なり資材に安住してはいられないので、落ち着きません。
 そんな訳でわが社の姿勢として新しいものを創意工夫で造りだし常に挑戦の気持ちを忘れないようにしたく、事あるごとにチャレンジ精神の高揚に努めています。
 槌屋グループの各子会社は「山椒は小粒でもピリリと辛い」という企業をめざして
います。




◆ 安全と品質への取り組みについてお伺い致します。

 私どもの会社では、石油化化学製品を販売、加工をしておりますので、ことのほか火災、爆発などに神経を尖らせております。安全は全てに優先することを肝に
命じ、防災のための教育、訓練などを徹底し、特に、外部からの工事業者に対しても、万全を期すように指導しております。

 品質は取引の前提であることを国内、海外ともに徹底し意識改革に取り組んで
おりますが、昨年は目標をクリアーできておりませんので、全社一丸となって不具合0件をめざしているところです。




◆ 協豊会活動についてのお考えをお聞かせください。

 トヨタさんへ部品を供給する部品メーカーで構成する協豊会が設立されてから
66年目になると思いますが、私が槌屋に入社して間もない頃から、ずっとこの歴史ある協豊会活動に長年にわたって参加させてもらっております。ですから、協豊会活動を通して多くの貴重な経験を積ませていただきました。
 協豊会はトヨタさんとのコミュニケーションの大変有効な場で、情報や課題を共有し問題を解決していく上で、これほどすばらしい機会は他には無いと思っています。
 会員会社は経営者懇談会、各部品部会、テーマ研究部会など職階に応じて積極的に参加して欲しいと思っています。幹事という立場上、経営者懇談会で司会を勤めさせてもらうことがありますが、もっと活発に意見交換できたらと願っております。部品メーカー同志でお互いに切磋琢磨できる又とないよい機会だと思います。




◆ 最後に趣味、座右の銘がございましたらお願いします。

 趣味としては、季節の良いときはゴルフを楽しんでいますが、年間通しては、
プールで水中歩行をしております。平均すれば週に3回位、1回あたり30分ほど
ですが、けっこう汗をかいてよい運動になりますよ。もう、10年以上も続けていますので、習慣になってしまっています。

いつも何事につけても、“誠実”を心がけています。



本日はお忙しい所、ありがとうございました。



             大原幹事を囲んで
   石塚広報委員長(太平洋工業梶@取締役常務執行役員):右
   黒木広報委員(NOK梶@取締役):左