〜社是 「Glorious Excellent Company」を目指して」〜
 
おじゃまします  ―協豊会 松本関西地区副会長に聞くー


 
 協豊会 広報委員会は、8月6日、住友電気工業竃{社において、
松本関西地区副会長(住友電気工業株式会社 代表取締役社長)に
インタビューを行いました。
  住友電工さんは、400年余りの歴史がある住友の銅事業に端を発し、創業110年を超える歴史ある会社です。
目指すべき姿として「Glorious Excellent Company」を掲げておられ、
400年の歴史とともに事業展開の取組みについてお話を伺いました。



松本関西地区副会長

◆住友電工さんの会社概要、沿革についてお聞かせ下さい。。

住友の歴史ですが、約400年前の住友家初代 住友政友と蘇我理右衛門という傑出した二人の人物から始まります。

僧侶であった住友政友は、還俗して京都で書林と薬舗を営んでいました。後生に商いの心得『文殊院旨意書』に代表される篤い信仰心に基づいた教えは、
「住友事業精神」の基礎となっています。

当時の日本は世界有数の銅輸出国でしたが、その銅の中に金や銀が含まれており、中国の商人がそこから金銀を抽出し、大きな利益を上げていました。
住友政友の姉婿である蘇我理右衛門はハイテクノロジーを駆使し、「南蛮吹き」と呼ばれる画期的な精錬技術を完成、銅と銀、金の吹き分けに成功し、住友の
銅事業の礎を築きました。

蘇我理右衛門の長男の友以が住友家の養子となり2代目になる訳ですが、
なかなかの企業家でした。京都から大阪へ進出、長堀に大きな銅製錬所を
設けて、「南蛮吹き」の技術を公開しました。これにより住友は「南蛮吹きの宗家」として尊敬され、大阪長堀は銅精錬所の中心地となりました。
その後 別子銅山が発見され、住友の基盤が更に強固なものになりました。

住友電工の沿革としては、住友総本店が1897年に住友伸銅場を開設し、
裸銅電線の製造・販売を開始したことに始まります。電気事業のめざましい進展に対して、国家的見地から電線事業を本格的に開始するため、1911年
住友電線製造所として分離・独立しました。1920年に株式会社住友電線製造所となり、1939年現在の住友電気工業株式会社になりました。
その後、電線の製造技術をベースに事業を多角化し、現在では、自動車、
情報通信、エレクトロニクス、電線・機材・エネルギー、産業素材の5つの分野で
事業を展開しています。

昨年には、創業110年を迎え、様々な記念事業を行っています。まずは、次代への成長の基盤づくりということで、新しい研究開発棟「WinD Lab」(ウインド ラボ)を大阪製作所に、「ものづくり」教育の中心となるテクニカル・トレーニング・
センターを伊丹製作所に建設しています。また、「住友電工グループ社会貢献
基本理念」を制定し、「Glorious Excellent Company」を目指す当社グループに
相応しい社会貢献活動に取り組んでいます。その一つとして、人材育成や学術
振興の観点から国内外の大学に寄付講座や奨励金制度を創設しています。
また、障害者雇用促進のための特例子会社を設立しました。



◆「Glorious Excellent Company」についてお聞かせ下さい。

去る7月31日、国内外のグループ各社、600名を招き、「グループ・グローバル
表彰世界大会」を大阪国際会議場で開催しました。本大会は、当社グループの
中期経営計画「07 VISION」の達成にめざましい貢献をしたチームを表彰すると
ともに、新中期経営計画「12 VISION」の達成、「Glorious Excellent Company」実現に向けて、理念、ビジョン、事業方針などの理解を共有し、グループ・グローバルな一体感を醸成することが目的です。

「Glorious Excellent Company」について説明しますと、まず「Glorious」には、
当社グループの理念的・定性的なあるべき姿を示します。「信用を重んじ確実を
旨とする」、「浮利に趨らず」という社会的信用を何よりも重んじる倫理観や、
「技術の重視」、「人材の尊重」、「企画の遠大性」、「自利利他、公私一如」と
いった「住友事業精神」は、企業の社会的責任がクローズアップされる今日、
ますますその重みを増しています。こうした「住友事業精神」と、それを踏まえて
制定した住友電工グループ経営理念を具現化した姿を「Glorious」という言葉に
込めました。

「Excellent」とは、持続的成長のための事業目標、すなわち当社グループの
具体的・定量的なあるべき姿を示す言葉です。5つの事業分野それぞれに
おいて、研究開発、製造、営業企画の3部門が密接に連携し、それをコーポレート
スタッフ部門が支援する強い組織を基盤として、「グローバル・プレゼンスの向上」と「トップ・テクノロジーの強化」を軸とする成長戦略を描いています。
「グローバル・プレゼンスの向上」とは、経済・産業のグローバル化が急激に進展する中、単なる製造拠点の海外移転にとどまらず、研究開発拠点や物流・販売
ネットワークを伴った真のグローバルな事業活動を戦略的に展開していくという
ことです。
「トップ・テクノロジーの強化」では、安全・環境・品質・コスト・デリバリー・研究開発の全ての局面で、常に他社を凌駕する世界最高水準を目指しています。

こうした理念を堅持し、会社の経営方針を理解し、基本に忠実で高度な技術・
知識を有し、グローバルに通用する人材を育成するために、「SEIユニバーシティ」という教育体系を整備し、全員教育に取り組んでいます。



◆「環境・安全・品質」などのお取組みについてお聞かせ下さい。

私どもでは、S(Safety:安全) E(Environment:環境) Q(Quality:品質)
C(Cost:価格) D(Delivery:物流、納期) D’(Development:開発)を「SEQCDD」と呼んで、グループ全体で各々ターゲットを持って高めていこうとしています。

特に、安全や品質活動の委員会では私自らが委員長として陣頭指揮をとって
います。全社員に対し3ヶ月に1度、社長メッセージとして放送するなど、様々な
ツールや機会をとらえて社員への浸透を図っています。
安全では、「安全は全てに優先する」の風土づくりをめざし、“完全ゼロ災を達成
する”という強い気持ちをもって活動を推進しています。
また、品質では、「QR-1」運動を全社で展開、「絶対ゼロへの挑戦」を合言葉に、クレーム、工程内不具合ゼロを目指して取り組んでいます。数年間にわたり
こうした活動を継続していますが、品質・安全ともに成績はあがってきました。
安全憲章や環境憲章などのルールや組織をつくる、それに基づいてどういう
進め方をするのかを決め、必ずフォローアップしていく、ある時期には大会を行い表彰するなど、常に活動がマンネリ化しないように心掛けています。そして、常にTOPがチェックし、姿勢を示すことが非常に重要です。
また、環境への取組みとしては「アクションECO-21」という全社運動を推進し、
環境保全の目標と実績を数量的に把握しながら着実に成果をあげています。



◆関西地区副会長としての協豊会活動についてのお考え、メッセージなどお聞かせ下さい。

協豊会は稀に見る強固な組織であり、また、世界的にも知名度が高く、会員に
なることに誇りを持っておられる会社も多いと感じています。
協豊会の場は、会員とトヨタさん相互の積極的な参加があり、最新の技術動向
情報を得て自社へフィードバックが図れます。また、チームをつくり具体的テーマを見つけ、お互いにアイデアを持ち寄り、難しい課題を克服させていきます。
またトヨタさんより、経営方針や今後の方向性を示して頂くことで、会員会社は
経営体制や工場体制、営業体制など、いち早くアレンジすることもできます。
これらの活動や、トヨタさんと会員の相互コミュニケーションの場を
与えてくれるのが協豊会です。
非常に面白い組織であり、非常に上手くできている仕組みと感じています。



◆ご趣味についてお聞かせ下さい。

大学時代に陸上競技をやっており、今でもゴルフがないウィークエンドは
ジョギングをやっています。この歳になっても走ることは何の苦もありません。
ゆっくり走りながらいろいろなことを考え、汗を掻き、シャワーを浴びて昼寝をし、
本を読んだり、時には絵画を見たり、一般的には趣味といえない趣味を
楽しんでいます。

本日はお忙しい所、ありがとうございました。



             松本副会長を囲んで
    勝丸広報副委員長(西川ゴム工業梶@常務取締役):左
   石塚広報委員長(太平洋工業梶@常務執行役員):右から2人目
     鈴木事務局長:右